TOP脳の健康維持・改善脳の萎縮を改善させることは可能なのでしょうか
最終更新日 : 2023/04/04

脳の萎縮を改善させることは可能なのでしょうか

萎縮そのものを治すことはできませんが、生活習慣等の改善によって進行を遅らせることで、正常な加齢性変化の範囲に収めることを目標とすることが合理的です。

  • 臓器の多くは一度細胞を失うと元に戻ることは難しく、それが原因となる脳の萎縮も同様です。
  • しかし、最近の研究で脳の萎縮と生活習慣には相関があることが分かっています。脳の萎縮は、30代以降誰にでも起きる通常の加齢性変化ですが、その変化の速度は、生活習慣等により個人差があるのです。

    Susumu Mori, et al., Brain atrophy in middle age using magnetic resonance imaging scans from Japan’s health screening programme, Brain Communications, Volume 4, Issue 4, 2022, fcac211, https://doi.org/10.1093/braincomms/fcac211

    具体的には、脳の萎縮を引き起こす要因として、高血圧、高血糖、過度の飲酒などが知られております。飲酒をやめることで萎縮の進行が改善したという報告もあります。

  • コレステロールや体脂肪率など、脳以外の健診結果の評価をきっかけに生活習慣を見直すことは、当たり前に行われていることであり、「可視化による介入」という適切な予防行動です、脳の健康状態を示す「萎縮度」についても、同様の行動を取ることが合理的です。

もっと知りたい方へ

  • なお、MVision healthにおける今の評価はあくまで現時点での同年代の比較に基づくものです。これからの生活習慣の改善等によりこの経年変化の速度を抑えることができれば、同年代ランキングも萎縮度評価も改善することが可能です。
  • 例えば、下図の「今回」とある方は40歳前半の中では95位以下に相当し、「やや注意」または「注意」の評価が出ている状態です。これを機会に生活習慣の改善、定期的な測定により経年変化をモニタリングすることで、萎縮の速度をコントロールできた場合、認知症等が気になり始める70代までに「標準」の範囲内に戻ってきます。
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