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最終更新日 : 2023/04/04

海馬・扁桃体の体積には、なぜ経年変化の目標値がないのですか?

海馬・扁桃体の体積は、65歳以上の方の急激な体積変化を検知することが主な目的だからです

※海馬・扁桃体の解析に対応した高解像度のMRIを撮る医療機関で受診した方が対象です。このサービスを提供しているかどうか事前にご確認ください。

  • 海馬・扁桃体については、目標値を定めておりません

  • 海馬・扁桃体を含む「辺縁系」と言われる灰白質は、65歳まではほとんど加齢性変化がない構造物として知られております。

    Bethlehem, R.A.I., Seidlitz, J., White, S.R. et al. Brain charts for the human lifespan. Nature 604, 525–533 (2022). https://doi.org/10.1038/s41586-022-04554-y

  • また、海馬・扁桃体は、65歳以降でも、アルツハイマー病の発症3~5年前から急激に萎縮が進行することが報告されており、MVision healthではこの兆候を捉えることを希望された方に対して、この検査を受け入れる医療機関様限定で海馬・扁桃体の解析を実施しています。

    L. Younes, M. Albert, M.I. Miller, B.R. Team, Inferring changepoint times of medial temporal lobe morphometric change in preclinical Alzheimer's disease, Neuroimage: Clin., 5 (2014), pp. 178-187. https://doi.org/10.1016/j.nicl.2014.04.009

  • 従って、MVision healthでは、毎回の検査で脳の加齢性変化を抑える目安としての目標値の設定は、脳全体の萎縮度、白質病変体積のみを対象としています。

  • 海馬・扁桃体体積は、経年での変化を定点観測しながらも、万一急激な萎縮の兆候を捉えた際に、速やかに専門家に相談できるような「転ばぬ先の杖」として位置付けています。